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事故でセシウム137を摂取した場合、紺青(プルシアンブルー)で治療される。これは紺青がセシウム137に結合し、体外への排出を促進するためである[2]。ただし、セシウム137自体は水溶性であり粘膜から吸収されるため一か所の粘膜組織に滞留するおそれは極めて少ないが、その一方で紺青は水不溶性の微粒子で吸引すればそのまま肺深部に到達し沈着する粒径である。肺胞内に沈着した紺青粒子がセシウム137を吸着したり、あるいはセシウム137を吸着した紺青粒子が肺胞に沈着した場合には、当該組織にβ線による極めて重篤な内部被曝が30年の半減期にわたってもたらされることになる。呼吸による紺青吸引と肺内滞留により放射性セシウムにハイリスクの肺癌などいままでにない重篤な健康被害が新たにもたらされる可能性が高く、放射性セシウムが存在する環境での紺青の拡散はかえって被害を深刻化する懸念がある。消化管においてもこうした紺青の体内滞留の懸念から、医薬品認可されている紺青を用いた内服用放射性セシウム吸着剤の添付文書に蠕動運動低下など体内滞留による新たな内部被曝リスクの注意喚起がなされている。また放射性セシウムと異なり紺青の選択的・効果的な回収方法はなく、紺青と結合し取り込まれた放射性セシウムは環境中や体内ではまったくの別物と言ってよい挙動をとるものと考えられる。 こうした背景から、放射性セシウム結合剤は認可医薬品であるが、その使用は厳しく制限されており、一般病院や医師の任意では処方も投与もできない。我が国においては放射線医学総合研究所において全て厳重に管理され、使用について承認と報告が義務付けられており、その取扱いは放射性ヨウ素に対するヨウ化カリウム製剤よりもはるかに厳しい管理が行われている。